シャドーイングは、今最も注目の英語学習法といっても良いかもしれません。僕が英語学習をスタートしたときにも、オンライン英会話からシャドーイングをオススメされて、毎日1時間以上ひたすらシャドーイングを続けていました。
シャドーイングは、個人的にはとてもよい学習法だと思っています。しかし、現時点では僕はシャドーイングをお休みしている状態です。
この記事では、シャドーイングについての概要となぜ今シャドーイングをお休みしているのかについてお伝えします。
目次
シャドーイングは初・中級者にも効果がある?
シャドーイングが英語学習法として注目される一方で、その効果を疑問視する意見もあります。まずは、僕自身のシャドーイングの体験を振り返りながら効果について感じていることを紹介します。
シャドーイングとは?
シャドーイングは、CDやアプリなどの音声データに続いて、音声を頼りに聞いたままの内容をそのまま発する方法です。シャドーイングにはいくつかコツがありますが、最も重要とされる点は、以下の点です。
- 意味を把握した状態でおこなうこと
- やや優しく感じる程度のレベルの教材を使用すること
- 一つの教材で繰り返し練習して、スラスラ言えるようになるまで練習すること
テキストを見てもよいか否か?などは人によって意見が分かれますが、基本的に上記のポイントを押さえれば一定の効果は得られるでしょう。
僕個人のシャドーイング歴
僕は、英語学習のスタート段階から半年間くらい毎日シャドーイングをやりました。期間としては半年間くらいです。
使用したテキストは、以下のとおりです。
- 英会話・ぜったい・音読【入門編】(1か月間)
- みるみる英語力がアップする音読パッケージ(2か月間)
- TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ(2か月間)
- 速読速聴・英単語 Core 1900(2か月間)
このように有名どころを順番にという感じで、1冊ずつ仕上げていきました。
僕は、市販の教材を使用して学習するタイプのオンライン英会話SPTRを使用していました。特に最初のテキストは、中学生1・2年生レベルで、大学受験を経験した僕からするとかなり基礎的な内容だったのですが、シャドーイングということになるとかなり苦労しました。
どのような効果が得られたか?
僕が身についたと感じたシャドーイングの効果は以下のとおりです。
- リスニング力
- 英語を話すことの恐怖心がなくなる
- 英会話力
英会話力は、リスニングと正しい発音が身につきさえすれば副産物的に自然と向上するものかもしれません。僕の場合、シャドーイングだけ学習していた時期がそれほど長くないので、上記の効果がすべてシャドーイングによるものとは断言できない部分があるものの、勉強時間の多くをシャドーイングに費やしていたことは間違いありません。
実感ベースではあるものの、英語の学習をはじめて数ヶ月でフィリピン人講師との会話もかなりスムーズになりました。ブロークンイングリッシュではあるものの、簡単な文章や単語で、自分の言いたいことを伝えられるようにはなりました。
初級者の時点でシャドーイング力をアップさせるために注意したこと
シャドーイングはとても難易度が高い学習法であり、学習法にもさまざまな工夫が必要です。この章では、初級者だった僕が当時注意していたポイントを紹介します。
オンライン英会話と併用する
シャドーイングは、自分では正しい音で発音しているつもりでも間違った音を身につけてしまうリスクがあります。このとき、英語をしっかりと分かっている人にチェックしてもらうことで、間違ったリスクを回避できます。
僕の場合は、オンライン英会話SPTRでフィリピンの先生に英語をチェックしてもらっていました。SPTRは、予習を前提としたオンライン英会話なので、自然とレッスンの前に繰り返しシャドーイングをする習慣もついたし、講師の前でミスしたくないとの思いから集中して学習できるというメリットもありました。
オンライン英会話の併用が難しい方は、音声データを録音して敵捨てテキストの音声と比較するなどの工夫も効果的だと思います。
正しい発音を学ぶ
シャドーイングは、正しい音を理解したうえでおこなった方が効果的です。少なくとも、発音記号通りに単語を発音できる状態にしておくことが大事です。
正しい発音を体系的に学ぶには、フォニックスに関する本を学ぶのが良いかもしれません。僕の場合は、シャドーイング時になかなかうまくできない音を、個別にYouTubeで練習していました。「L」とか「r」とか「v」のサウンドですね。
特に僕が一生懸命チェックしていたのは、AccurateEnglishというチャンネルです。
英語のみのチャンネルなのですが、初級者でも集中して聞いているとほとんど聞き取れると思います。全般的に解説も分かりやすいです。
彼女の動画をいろいろ見ているうちに、もう少し体系的に学びたくなって、amazonで彼女の著書「Mastering the American Accent (Barron’s Foreign Language Guides)」も購入しました。洋書と言うこともあり、値段は少し高いですが、音声を学ぶには最適の一冊だと思います。洋書ではありますが、日本のAmazonで気軽に購入できる点もオススメポイントです。
毎日継続する
シャドーイングに限らず英語学習で最も大切なことは毎日の継続だと思います。僕は、1日も欠かすことなく英語学習を継続しました。時間があまり取れないときは1日30分程度の学習になってしまったこともありましたが、それでも何も学習しない日はなかったです。
今になって思えば、SPTRが1日1回25分という料金体系だったことから、レッスンを無駄にしたくないという思いが毎日の継続につながったようにも思います。
シャドーイングだけでは伸ばしにくいと思った項目
シャドーイングはとても効果的な学習法だと思いますが、万能ではありません。シャドーイングだけでは伸ばせないポイントもいくつかあります。逆にいえば、シャドーイングとシャドーイングだけでは伸ばしにくいポイントをうまく併用することが初級者から中級者・上級者へとレベルアップするための近道となります。こちらでも3つのポイントを紹介します。
ボキャブラリー(語彙力)
英語力を高めるために、ボキャブラリーは欠かせません。そして、ボキャブラリーを高めるためには、地道に新しい単語を身につける作業が必要です。
例えば、単語帳や難易度高めのテキストを使用して、知らない単語の意味を知り、そして使用できる状態にする必要があります。
シャドーイングでは、比較的難易度が低めのテキストを使用するケースが多いことや、一つのトピックを繰り返し使用することから、ボキャブラリー学習にはあまりマッチしません。僕も、途中から「金のフレーズ」や「Core1900」などのボキャブラリーに重きをおいた教材を使用するようにシフトしましたが、「金のフレーズ」は文章量が短いせいでシャドーイングのテキストとしてはやや消化不良、「Core1900」は、単語レベル的にはOKでしたが、単語学習とシャドーイングを同時にするのが僕にとっては難しいと感じました。
文法
文法についても、シャドーイングだけでは身につきにくい項目だと思います。特に、時制や冠詞など読解するだけでは概念がわかりにくいポイントについては、きちんと文法解説のある文法書なり教室なりで学習するのがオススメです。
僕が、海外の語学学習サービスEnglishClass101.comに入会することを決めたのも、文法についてしっかりと理解をしたいという考えによる者でした。
表現力
英語を話したり、書いたりする際に、文法的には間違っていなくてもネイティブの方にとっては違和感のある表現というのが存在します。例えば、以下の表現です。
- I haven’t watched the movie.
- I’ve not watched the movie.
現在完了形をどこで省略するかというポイントですが、アメリカ陣の感覚では上の表現が自然だそうです。下の表現は、イギリス英語もしくはていねい過ぎる印象をうけるそうです。
こうしたネイティブがどのように感じるかというポイントをシャドーイングだけで身につけるのはとても大変で、ネイティブの方々とたくさんコミュニケーションを取ったり、多くのテキストに触れたりすることが大事だと思います。
インプットを増やすために学習方法を変更
僕がオンライン英会話+シャドーイングという学習方法を変更したのは、インプットを増やすためです。小さな理由としては、SPTRの指定教材のなかに、自分の学びたいテキストがなくなってきたことも挙げられますが、一番の問題はやはり文法・表現力をしっかりと身につけ、恥ずかしくない英語力を身につけたいと思ったことが最大の要因です。
それに気がついたきっかけは、オンライン英会話だったような気がします。ある程度聞いて話すことができるようになると、次のようなことが気になるようになりました。
- 伝えたいことを正確に伝えられない(ブロークンイングリッシュになってしまう)
- シャドーイングのときにはうまく話せているような気がするけど、音声の力を借りないとまったくイントネーションやリンキングがうまくできない
- オンライン英会話の講師の話すことは聞き取れても、海外ドラマを視聴していると知らない表現が頻出し、会話をキャッチできない
これらの理由から、シャドーイング以外の学習方法にも手を広げる必要性を感じたのです。あと、僕が完璧主義の傾向がありノーミスでシャドーイングすることに意識が強くなりすぎたこともあり、新たな学習法を模索するようになりました。
結果的にたどり着いたのは、EnglishClass101.comで、僕は今もEnglsihClass101.comを中心に英語学習をしています。
とはいうものの、シャドーイングの効果を否定するつもりはまったくありません。むしろ、シャドーイングを地道に続けてきたから、今この中級者のステージに立てているのだということも強く実感しています。
例えば、EnglsihClass101.comは、まったく日本語を介さずに英語のみで英語を学ぶスタイルなので、教材の英語が聞き取れなければ学習効率はすごく低くなります。僕は、EnglishClass101.comをはじめた時点で、およそ教材の音声が聞き取れるレベルにはなっていたのですが、それは約半年間シャドーイングをしっかりとやってきたからだと思っています。
実際、EnglsihClass101.comをはじめたときにシャドーイングをやめようと思っていたわけではなくて、並行して続けようと思っていました。EnglishClass101.comのインプット量がとても多く、結果的にインプットに集中するようになりシャドーイングする時間があまり取れなくなったというだけの話で、シャドーイングを完全にやめようとは思っていません。「最強の」といってよいかは僕もわからないものの、シャドーイングはとてもすぐれた学習法であることに間違いはないと思います。
まとめ
シャドーイングは、「初級者がやっても意味がない」と言われることもありますが、僕はそんなことはないと思います。実際に、初級者から中級者のレベルまで引き上げてくれたのは、シャドーイングを毎日地道に繰り返して板だからだと思っています。
ただし、シャドーイングは正しいやり方で続けることが大事です。特に、間違った音でシャドーイングを身につけてしまうと、通じない英語を身につけてしまうことになります。
あくまでも一個人の意見ですがこれからシャドーイングをはじめる初心者の方はできるだけオンライン英会話との併用がオススメです。また、シャドーイングだけが絶対的にすぐれている学習法というわけでもないため、EnglishClass101.comのような学習サイトを活用するのもオススメです。